フィッツジェラルドに憧れて

思うこと書いていくだけのチラシの裏

ハルキストとしての僕は死んだ

高校の時から当時付き合っていた彼女の影響で読書をする癖が未だについている

すごく真面目で努力家で賢かったあの子に憧れて村上春樹を好んで読んでた

ノルウェイの森」から始まり「海辺のカフカ」まで有名どころの村上春樹作品は読んだと思うし、「ノルウェイの森」にいたってはコーヒーのシミで汚れてしまって捨てたのを、また再び買って読むぐらいには何回か読んだ

その他にも、彼女と同じ会話がしたくてたくさんの本を読んだ

その中でとりわけ好きだったのが村上春樹だったんだけれど、最近自宅の本棚から「スプートニクの恋人」を抜き出し読んでいた

なぜかわからないけど過去に感じていたときめきが全て失われていて文字はただの文字でしかなくなっていた

全ての彩度は失われててすごく悲しい気持ちになり、ハルキストとしての僕は死んでしまったんだなと思った

村上春樹と彼女に憧れて、村上春樹の派生するアメリカ文学なども読んだのだが近付けば近付くほどに魅力が失われていき、僕のあこがれの正体は知性の神秘さだったのかもしれない

そういえば書いてて思い出したのだけど
伊藤計劃の「虐殺器官」に
意味のわからない外国語などに魅力を感じるのは
知らないという神秘性から起こるものだ
みたいなことが書かれてたのを思い出した

知りたいのに魅力がなくなるという
ヤマアラシのジレンマに
どう立ち向かうべきなのか

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)