落ちることの魔性的な魅力について
今日も今日とて、本を読み会社に行き、家路につくような生活を送っていて
平日は明日の仕事の心配なんかをしながらシャワーを浴びて床につく
日曜日は儀式的に暗い映画、本、漫画、音楽なんかを読み見聞きするのが毎週の僕の行動パターン
月曜日を最高のテンションで迎えるために日曜日はトコトンまでテンションを下げる行為に勤しんでいる
デカダンな魔性的な魅力に取り憑かれているのである
そんな僕のベストオブ日曜日の本には村上龍の「限りなく透明に近いブルー」がランクインする
この本に出てくる主人公の〈リュウ〉もそんなデカダンに取り憑かれた一人で、ドラッグ、暴力、性、などおおよそ良くないと呼ばれることを主体性もなくただ無感情に行なっている
〈リュウ〉に共感を覚えるというわけでもないのだけど、身を滅ぼすような感覚に一種の幸福感が感じることは少なからず理解できる
生き続ける人生の中で明日のことも未来のことも考える必要がなく、ただひたすらに身を滅ぼす
お酒とドラッグで溢れ出しそうな心配の種を間引いて、思考を止める
そうやって死に対する願望めいたことが、逆説的に生きることへの心配から解き放たれ幸福感を得る
哲学者のパスカルは、動物に比べ低い身体機能と知恵を比喩して「人は考える葦だ」と言ったけど、考えることが動物的生存本能を殺している
退廃的なことへの魅力とは、動物的な脱人間性にあるんだと僕は思う
▼参考: 僕が日曜日に手に取るシリーズ
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