ハルキストとしての僕は死んだ
高校の時から当時付き合っていた彼女の影響で読書をする癖が未だについている
すごく真面目で努力家で賢かったあの子に憧れて村上春樹を好んで読んでた
「ノルウェイの森」から始まり「海辺のカフカ」まで有名どころの村上春樹作品は読んだと思うし、「ノルウェイの森」にいたってはコーヒーのシミで汚れてしまって捨てたのを、また再び買って読むぐらいには何回か読んだ
その他にも、彼女と同じ会話がしたくてたくさんの本を読んだ
その中でとりわけ好きだったのが村上春樹だったんだけれど、最近自宅の本棚から「スプートニクの恋人」を抜き出し読んでいた
なぜかわからないけど過去に感じていたときめきが全て失われていて文字はただの文字でしかなくなっていた
全ての彩度は失われててすごく悲しい気持ちになり、ハルキストとしての僕は死んでしまったんだなと思った
村上春樹と彼女に憧れて、村上春樹の派生するアメリカ文学なども読んだのだが近付けば近付くほどに魅力が失われていき、僕のあこがれの正体は知性の神秘さだったのかもしれない
そういえば書いてて思い出したのだけど
伊藤計劃の「虐殺器官」に
意味のわからない外国語などに魅力を感じるのは
知らないという神秘性から起こるものだ
みたいなことが書かれてたのを思い出した
知りたいのに魅力がなくなるという
ヤマアラシのジレンマに
どう立ち向かうべきなのか
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自意識の高いところから落ちると痛い
友達が言っていた言葉が妙にしっくり来てタイトルに引用させてもらった
学生の頃は高い自意識の中で生きること事態はそこまで辛くない(他者から見ればだいぶ迷惑行為なのかもしれない)
それは多分、理想とする形だけを見続けていて
言うなれば3歳児が将来の夢を聞かれて「ウルトラマンになりたい!」っていう状態にすごく似ている
要は現実が見えていないだけ
現実が見えてない中、努力すると言う代償を払い
結果として努力した優越感に浸っているだけなんだ
かくいう僕もその自意識の高いところにいた学生(デザイン系の学校)だったんだけど
やはりその結果としては優越感だけが過去の成果物として残っただけだった
最近、転職する機会があり社会人生活の中でのターニングポイントを向かえていろいろ思うことがあって
社会人になるとウルトラマンになりたかった僕のヒーローは日々を過ぎるごとにいなくなってしまった
人間的に憧れていた人とも転職とともに離れてしまって
その人のようになりたいと思いながら、自分はその人にはなれないと知り
自分のことで手一杯な僕には自意識という高層ビルから飛び降りていることしかできない
ああ、大人になりたい